行政書士業務

行政書士が専門とする業務の一つに「農地転用業務」があります。これは、**「農地を農業以外の目的に利用するための許可・届出に関する手続き」**を指します。

日本の農地は、食料生産の基盤として、農地法という法律によって厳しく保護されています。そのため、農地を宅地、駐車場、店舗、工場などの農業以外の用途に転用する場合には、原則として都道府県知事(または農林水産大臣)の許可、または農業委員会への届出が必要となります。この許可や届出なくして転用を行うと、罰則の対象となる場合があります。

行政書士は、この複雑な農地転用に関する手続きを、お客様に代わって円滑に進めるための専門家です。

農地転用業務の主な内容

行政書士が行う農地転用業務は、多岐にわたりますが、主に以下の内容が含まれます。

  1. ご相談・ヒアリング・現地調査:
    • お客様の農地転用の目的(住宅建築、店舗建設、駐車場設置など)を詳しくお伺いします。
    • 転用を希望する農地の場所、面積、周辺状況などを確認し、現地調査を行います。
    • その農地が農地転用が可能かどうか、関係法令や市町村の条例などを調査し、転用の可否や必要な手続きを判断します。
  2. 関係機関との事前協議・調整:
    • 農業委員会や都道府県庁の農地担当部局、場合によっては土地改良区など、関係機関との事前協議や調整を行います。
    • 農地の区分(第1種農地、第2種農地など)によって許可要件が異なり、協議の結果、転用が難しいケースもあります。行政書士は、これらの複雑な調整を代行します。
  3. 申請書・添付書類の作成:
    • 農地転用許可申請書(農地法第4条許可、第5条許可など)や届出書を作成します。
    • 転用後の事業計画書、資金計画書、転用地の案内図、公図、登記事項証明書、同意書など、膨大な種類の添付書類を収集・作成します。これらの書類は、非常に専門的な知識と正確性が求められます。
  4. 申請代理・届出提出:
    • 作成した申請書や添付書類を、お客様に代わって農業委員会や都道府県庁に提出します。
    • 申請後の行政庁からの問い合わせや補正指示にも迅速に対応し、許可・届出の完了までをサポートします。
  5. 許可書・受理通知書の受領:
    • 農地転用許可書や届出の受理通知書を代理で受領し、お客様へお渡しします。

行政書士に依頼するメリット

農地転用業務を行政書士に依頼する主なメリットは以下の通りです。

  • 専門知識と経験によるスムーズな手続き: 農地転用は、農地法だけでなく、都市計画法や建築基準法など、様々な法令が関係する複雑な手続きです。行政書士は、これらの専門知識を有し、手続きを円滑に進めます。
  • 時間と手間の削減: お客様ご自身で手続きを行う場合、書類作成や関係機関とのやり取りに多大な時間と労力がかかります。行政書士に依頼することで、お客様は本来の事業や生活に集中できます。
  • 不許可リスクの低減: 複雑な要件や必要書類の不備により、不許可となるリスクがあります。行政書士は、事前に要件をしっかり確認し、正確な書類を作成することで、不許可リスクを低減します。
  • トラブルの未然防止: 許可なく転用を進めてしまうことによる罰則や、将来の土地利用に関するトラブルを防ぐことができます。

農地の有効活用をお考えの際には、ぜひ行政書士にご相談ください。お客様の目的に沿った最適な農地転用の道筋をご提案し、許可・届出取得までを全面的にサポートいたします。

相続土地国庫帰属業務について

行政書士が専門とする「相続土地国庫帰属申請業務」は、2023年4月27日に施行された「相続等により取得した土地所有権の国庫への帰属に関する法律」(通称:相続土地国庫帰属法)に基づいて、相続や遺贈によって取得した、不要な土地を国に引き取ってもらうための手続きをサポートする業務です。

相続土地国庫帰属制度の背景と目的

近年、少子高齢化や過疎化の進行により、相続された土地が活用されずに放置され、所有者不明土地が増加する社会問題が顕在化していました。こうした土地は、周辺環境への悪影響(荒廃、不法投棄など)や、公共事業の妨げとなるなどの問題を引き起こしていました。 この制度は、そうした土地の所有者が、一定の要件を満たす場合に、その土地の所有権を国に帰属させることができるようにすることで、土地の適切な管理や利用を促進し、社会全体の利益に資することを目的としています。

行政書士が行う相続土地国庫帰属申請業務の主な内容

行政書士は、この制度の利用を検討されているお客様に対し、複雑な手続きを代行し、国への土地の帰属が承認されるようサポートします。主な業務内容は以下の通りです。

  1. ご相談・適格性の判断:
    • お客様からのヒアリングを通じて、土地を国に帰属させたい理由や、対象となる土地の現況(場所、面積、地目、利用状況、境界の明確さなど)を詳しく確認します。
    • 相続土地国庫帰属法には、国が引き取ることができない土地(「却下事由」や「不承認事由」)が厳格に定められています。例えば、建物がある土地、担保権が設定されている土地、土壌汚染がある土地、境界が明らかでない土地などは対象外です。行政書士は、これらの要件に該当しないか、事前に入念に調査・判断します。
    • 場合によっては、土地家屋調査士と連携し、正確な測量や境界確定が必要となるケースもあります。
  2. 法務局への事前相談のサポート:
    • 正式な申請に先立ち、管轄の法務局(本局)への事前相談が必要です。行政書士は、この事前相談の準備(相談票やチェックシートの作成、必要資料の準備)をサポートしたり、同行したりすることも可能です。
  3. 承認申請書および添付書類の作成・収集:
    • 相続土地国庫帰属の承認申請書を作成します。
    • 申請には、対象土地の位置図、範囲図、土地の形状を示す写真、隣接地との境界を示す写真など、詳細かつ専門的な図面や写真が多数必要となります。これらの作成や収集を代行します。
    • その他、申請者の印鑑証明書、相続を証明する書類(戸籍謄本など)、固定資産税評価額証明書など、多岐にわたる添付書類の収集をサポートします。
  4. 法務局への申請のサポート:
    • 申請者本人が法務局へ申請書を提出する必要がありますが、行政書士は、申請書の作成や必要書類の準備を完了させた上で、お客様がスムーズに提出できるよう支援します。郵送申請の場合も、不備なく提出できるようサポートします。
  5. 審査期間中の対応サポート:
    • 申請後、法務局による書類審査や実地調査が行われます。行政書士は、法務局からの照会や補正指示に対し、お客様に代わって対応したり、必要な追加書類の作成をサポートしたりします。
    • 実地調査の際に、申請者本人(または指定された者)の同行が求められることがあり、遠方の場合やご高齢の場合など、同行が難しいケースにおいて、行政書士がそのサポートを行うこともあります。
  6. 負担金の案内と承認後のフォロー:
    • 審査を経て国庫帰属が承認された場合、申請者は一定の「負担金」を国に納付する必要があります。行政書士は、負担金に関する情報提供や、納付に関するアドバイスを行います。
    • 負担金納付後、土地の所有権が国に移転し、登記手続きも国が行います。

行政書士に依頼するメリット

  • 複雑な手続きの専門家: 相続土地国庫帰属制度は比較的新しく、要件も複雑です。行政書士は、関連法令や申請実務に関する専門知識を持ち、煩雑な手続きを適切にナビゲートします。
  • 時間と労力の節約: 申請書や添付書類の作成、関係機関とのやり取りには、多大な時間と労力がかかります。行政書士に依頼することで、お客様はこれらの負担から解放され、本来の生活や業務に集中できます。
  • 却下・不承認リスクの低減: 不適切な申請や書類の不備により、せっかくの申請が却下されたり、不承認になったりするリスクがあります。行政書士は、事前に要件をしっかり確認し、正確な書類を作成することで、このリスクを最小限に抑えます。
  • 遠方地の土地にも対応: 相続した土地が遠方にある場合でも、行政書士が現地調査や関係機関との調整を代行することで、お客様の負担を大幅に軽減できます。

相続した土地の管理に困っている、有効活用できずに手放したいと考えている方は、ぜひ行政書士にご相談ください。専門家として、お客様の状況に合わせた最適な解決策を提案し、スムーズな国庫帰属をサポートいたします。

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代表 佐々木 悠太

ささきゆうた

YUTA SASAKI

ご挨拶

この度は、佐々木総合事務所のウェブサイトにお越しいただき、誠にありがとうございます。代表の佐々木悠太と申します。

土地や建物に関する手続きは、人生においてそう何度もあることではありません。だからこそ、「何から始めたらいいのか」「どこに相談すればいいのか」と、不安に感じる方も少なくないのではないでしょうか。

当事務所では、そんなお客様の疑問や不安に寄り添い、一つひとつ丁寧にご説明することを大切にしています。専門用語を避け、分かりやすい言葉でご納得いただけるまでお話し、お客様にとって最善の解決策をご提案することをお約束いたします。

「この事務所に頼んでよかった」と心から感じていただけるよう、誠実かつ迅速な対応を心がけております。土地や建物に関するお困りごとがございましたら、どうぞお気軽にご相談ください。

保有資格

  • 土地家屋調査士
  • 行政書士
  • 賃貸不動産経営管理士

経歴

  • 大学卒業後、建設業の会社で事務職として勤務
  • 土地家屋調査士事務所にて補助者として勤務

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